今日は部署の勉強会でPEP 703の解説をした。前回は入門的な話をしたので、今回は参照カウントの実装について詳しく話した。BRC論文が読みやすかったのでわりとスムーズに話せた。発表後は同僚と社食でお茶を飲みながら雑談。
あとは『訂正可能性の哲学』を手に入れた。電子書籍にするかどうか迷ったが表紙の手触りが良かったので書店で買った。
第一章は国家と家族の話。プラトン的な理想的な国家において家族のような閉鎖的なつながりは解体される。一方でポパーの批判によれば個人を全体に奉仕させようとする全体主義国家はこそが部族的で閉鎖的である。お互いが相手は閉鎖的だと非難し合うという奇妙なねじれがある。このねじれを読み解くための補助線としてトッドの仕事が引用される。
家族構造と政治制度をダイレクトに結び付けるトッドの説は単純化しすぎのように感じられたが、それらの相互作用については『「経済成長」の起源』の第5章にも書いてあったのあとで読み返す。